私に起きたLGBT《セクシュアルマイノリティ》問題 続編

私に起きたLGBT《セクシュアルマイノリティ》問題

家を出たいなら、自分でお金貯めて、そのお金で出ていけ、 そう息子には聞こえたかもしれない。

1年間、昼は建築の仕事をしながら、夜は居酒屋でバイト。

明けても暮れても、仕事とバイトで帰ったら疲れて寝る。

そんな生活をしていた息子。

1年間で130万貯金し、上京した息子。

バイトをしているとは聞いていたし、家賃もちゃんと振り込まれて居るようだったから、必要以上に連絡をしたり、心配したりすることはしなかったけれど、毎月1、2度、お湯を入れるだけで一食分の食事が取れるという20セットのドライフードや、忙しい朝でも、ちょっと飲むだけで、多少の栄養は取れるだろうと40本セットの野菜ジュースなどを送り付けていた。

なんとか、お金が無くても生きていけるように。

私の頭は、食事のことが第1に気がかりでした。

次は何を送り付けてやろうかと、ちょっと楽しみになっていたころ、次男から、神妙な面持ちで折り入って相談があると言われた。



 

次男の相談なんてきっとろくなこと無い、またどんな問題を持って帰ってきたのかと辟易した。

しかし、次男の口から出た相談は、次男自身のものではありませんでした。

「実はSNSで、兄貴と繋がってるんだけど…。それで 兄貴が、ゲイ・バーで働いてるって書いてある。写真もある。」と。

いやいや、それは、違う人じゃないの?ありえない。

だって、彼女もいたし、建築関係の仕事をしていたし、ビジュアル系バンドが好きだったし…と、彼女がいたことがあること以外、そうじゃないと裏付ける材料は無かったけど…。

メディアなとでそのような人がいること、そのような考えを持った人がいること、そのような考え持った人を支持する人がいることは知ってはいたけれど、まさか身内で…まさか、自分の息子がゲイだとは。

正確に言うと、バイ・セクシャルらしいのだけれど。

頭では分かっていたし、理解していたつもりだった。

しかし、矛盾しているけれど、自分の身内は当たり前のように、男性は女性に、女性は男性に好意を持つものだと、その思いを疑っていなかった。



 

自分の息子ながら、少し気持ち悪い…とまで思ってしまった。

とにかく、私は次男に 「聞かなかったことにする」「何かの間違いだと思う」そう告げた。

いちいち聞きたくなかったし、次男の胸の中でだけ閉まっておいてくれれば良かったのにとすら思った。

なんで?息子が? 普通に育ててしたはず…

妊娠がわかる前、知らずにタバコを吸い続けていたから?

育てかたが悪かった?

色々我慢させてたから?

何か理由があって、息子はそうなったんだと、私は理由を探したがった…

色んなことをあれこれ考えて、しっくりくる理由を見つけることで安心したがった。

でも、理由など見つかるはずもなく…

あ?長男は、普通に結婚出来ないんだ…

普通に子供を持ったり出来ないんだ…

私は、孫として、長男の子供を見ることは無いんだ…

最低だけれど、東京に行っててくれて良かったと思った。

息子が、ゲイ・バーで働いてるなんて誰にも言えない。

息子がゲイだなんて恥ずかしい。

そんなふうに思ってしまった。



 

自分の育て方が悪かった、もしくは自分のDNAが悪かった。

これからどう接すればいいのか分からなかった。

ずっと、息子は普通だと思っていたから。

毎月、送り付けていたフードも、ジュースも送る気にならなくて、送らなかった。

目の届くところにいないから、無意識に「もう考えたくない」と思っていたのだと思う。忘れたい、と。

もう考えたくない。

むしろ、もう出ていって、自活しているのだからもう関係ない…とすら思っていた。

私は、半年以上、息子のことを思い出さないようにしていた。

ある時、唯一それを相談した親友が、仕事で東京に行くことがあると、その時に、長男の店に行こうかなと言って、私に声をかけてきた。

見に行ってくれるというのだ。

怖かったけれど、なんというか、勘違いだったってことがあるかもしれない。

たまたま、そこでしかバイトを募集してなくて、仕方なくそこでバイトをしているのかもしれないし、たまたま、そこでバイトし始めたから、キャラ作りでゲイを演じてるのかもしれないって。

確認して欲しくて、偵察を親友にお願いした。

その親友のことは、長男も知っていたし、突然行ったらビックリするだろうけど、どうしても、ハッキリさせたかった。

たまたま、バイトした所が、ゲイ・バーだっただけだよーって、やだなーみんな勘違いしてた?

言ってほしかった。笑い話になるばずだった。

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