
漢方の基本を知る・身体の大事な3要素「気・血・水」
身体の大事な3要素
漢方では、人の身体には「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3要素が巡っているとされています。
これらは互いにバランスをとりながら、全身をめぐりっています。
しかし、どれかのバランスが崩れると、身体に不調が表れ、そのままだと病気になる可能性があります。
西洋の医療に慣れていると、ちょっと不思議ですよね。
今回は、気・血・水について詳しくまとめますので、漢方医学の理解の助けになれたらと思います。
「気(き)」は生きるための力となる役割
元気・やる気など、私たちの意欲にかかわる大切なもの。気は生きる力のもとになるエネルギー。
日中は身体をめぐって身体を守り、夜は身体の不具合を修復しているとされています。
体力がない、胃腸が弱い、風邪をひきやすいという状態は、気の不足によるもの。
気が不足したときは、エネルギーも元となる食材をとることを心がけましょう。
例えば、肉や魚、雑穀や豆が効果的です。
気虚(ききょ)
気虚とは、気が足りなくなることをいいます。
エネルギー不足による倦怠感や疲れを感じ、やる気が無くなってしまいます。
また、風邪を引きやすくなったり、胃腸の不調を感じやすくなります。
気滞(きたい)
気のめぐりが悪くなっている状態のことです。
精神的ストレスや、生活リズムの乱れにより、自律神経が乱れてしまいます。
精神心理的な症状は、イライラ感や不安、不眠などです。
「血(けつ)」は思考の源となる役目
全身をめぐる血液は、酸素や栄養を身体中に運搬します。
漢方でも血は血液のことを意味します。
そして、血液は思考の源ともされています。
血が足りていると精神が充実し、血が足りなくなると精神的に不安定になります。
血が不足したときは、赤い食べ物(肉類、カツオなどの赤身の魚、ニンジンなど)や、黒い食べ物(黒豆、黒ゴマ、プルーン、レーズン、ブルーベリーなど)を食事にとり入れます。
血虚(けっきょ)
血が足りなくなることです。
栄養不足、睡眠不足などにより、貧血、めまいなどが起こります。
また、肌の乾燥、眼のかすみ、さらには物忘れなどの症状も出やすくなります。
瘀血(おけつ)
血の流れが悪くなり、にきびや、眼の下のくまなどの肌のスキントラブルの原因に。
また、肩こり、腰痛、月経痛などの原因にもなります。
「水(すい)」は全身に潤いを与える役目
私たちの体内には、リンパ液や唾液、汗、涙など、たくさんの水分があります。
水とは、血液以外のすべての液体のこと。
水は津液(しんえき)とも呼ばれ、お肌や髪、筋肉や内臓まですべてを潤してくれます。
体内の水の代謝をよくするためには、有酸素運動や半身浴などの活動も効果的です。
津虚(しんきょ)
体内が水分不足になるため、肌や髪が乾燥気味に。
口渇やドライアイ、便秘、関節痛なども起こりやすくなります。
免疫力も低下するので、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
水滞(すいたい)
体内に水分が滞るため、むくみが気になってきます。
また、肌に湿疹ができてジュクジュクして治りづらかったり、耳鳴りやめまいなどの耳の症状が起こる可能性があります。
日常的に気・血・水を整えておく
例えばダイエットで血が不足すると、貧血や、無気力などの症状が出るように、私たちの身体は気・血・水により大きく支配されています。
3要素のトラブルは、いずれ病気が発生する原因となる可能性があるため、日ごろから意識してバランスを整えるようにしましょう。